先輩職員のインタビュー

令和3年度採用宗谷総合振興局 保健環境部保健行政室健康推進課(稚内保健所)

野口 小晴

医薬保健学域 保健学類(看護学専攻)出身
令和5年3月時点

入庁動機・きっかけ


大学時代、実習で難病の患者さんを受け持たせていただいた経験があります。その方の退院後の生活を想像した時に、今後院内よりもずっと長く生活する”地域”で少しでも安心して暮らせるようなお手伝いが自分にもできたら良いなと思ったことが保健所保健師を目指したきっかけの一つです。
また、私は大学進学を機に北海道を離れました。そこで様々な土地や文化に触れていく中、ふわふわと積もる雪やどこまでも続く自然、新鮮な食、住んでいた頃は当たり前に感じていた北海道の生活全てが代わりのない魅力的なものだと気づかされ、生まれ育った魅力溢れる北海道で保健師として貢献したいと思うようになりました。北海道は広く、私には知らない地がたくさんあります。北海道職員は数年に一度人事異動があり、保健師という仕事と共に様々な地域を巡ることができることにも魅力を感じました。今思うと北海道への入庁を決意した決め手はそこにあったかもしれません。

今の部署の仕事について


健康推進課では、難病や精神疾患のある方に対する個別支援をはじめ、地域の感染症対策、母子保健など幅広い内容の業務があります。中でも保健師は、地区ごとの担当と業務内容ごとの担当がそれぞれ割り振られ、私は主に結核や母子保健業務の担当につかせていただいています。
また、新型コロナウイルス感染症対策業務も保健所保健師の重要な役割です。私が入職した令和3年は、まさにコロナ流行渦だったためコロナ関係の業務が中心で、感染症以外の業務の経験不足に対する不安を感じることもありました。しかし、この経験を経て、感染症対策はもちろん、相談対応の基本や上司への報告、データ整理の仕方など多くのことを学ぶことができ、これら全ての経験が今の自分につながっていると思っています。現在は、家庭訪問や関係機関訪問など地域に出向く機会も増えてきており、たくさんの人と関わりながら保健師の役割を実感しています。

印象的だった仕事のエピソード


特に印象的だった活動は、結核対象の接触者健診として行った採血業務と学校へ出向いて行った健康教育です。
保健所保健師は日常的に採血業務があるわけではないので、採血に対しては苦手意識がありました。そのような中大勢の人を対象とした採血が必要となり、自分に果たせるのか不安と緊張が募りましたが、事前に先輩と何度も練習し、成功体験の中で少しずつ自信をつけながら当日を無事に乗り越えることができました。
健康教育では、300名の生徒を対象に性教育の内容について実施しました。私にとって初めての健康教育であり、どう工夫をすれば相手に伝わるのか、資料の作成や話し方に悩み、伝えることの難しさを感じました。しかし、生徒から寄せられた感想文には、新たな学びがあったことや、性について考えるきっかけとなったことなど、学習できた内容や感想がたくさん記載されており、自分の活動が相手の学びに繋がることへの喜びを感じました。

働いて実感する魅力とやりがい、将来像


日々少しずつ経験を積み重ねていく中で、支援した方から、”話しを聞いてもらって気持ちが楽になった”、”一緒に考えてくれてありがとう”などと言葉をかけてもらえた時には、自分は支援者として認識してもらえているのかもしれない、少しでも力になれたことがあるのかもしれないと保健師としての大きなやりがいを感じます。個別支援だけではありません。担当事業を終えた後の達成感も大きなものです。慣れない私に先輩方は助言と共に考える機会をくれ、そして事業を終えた後には良かった点や改善点をフィードバックしてくれながらやりがいへとつなげてくれます。保健師の活動は答えのないものも多く、迷うこともたくさんあります。周りと比べて成長ペースはゆっくりですが自立に向けて多くのことを経験していきたいと思っています。いずれは、誰からも信頼されそしてその信頼に胸を張って応えられるような保健師になりたいです。

休日・プライベートの過ごし方


休日をどう過ごすかはその日の気分で決めます!一日中部屋にこもってひたすら映画やドラマを観る日もあれば、先輩と写真を撮りに出かけたり、弾丸で帰省することもあります。時には夏休みや有給を使って旅行がてら離れた場所にいる友人に会いに行くことも。入職当初は場所も人も仕事も全てが新しく、楽しみな気持ち以上に不安のほうが大きかったことを覚えています。しかし、職場の方々は温かく迎え入れてくれ、プライベートでもたくさん交流してくれます。
こんな私でも、周りに恵まれ宗谷地域の魅力を感じながら楽しく過ごすことができています。新たな環境への不安を感じる方も多いかも知れませんが、新しい仲間や趣味に出会えるチャンスもたくさんあるはずです。その土地だからこそ味わえる楽しみを是非見つけてみてください!

ある1日の流れ

8:35
出勤(メールチェック、その日やることの確認)
8:50
朝のミーティング(情報共有、スケジュール確認等)
9:45
家庭訪問
11:00
帰庁、訪問の報告と記録の整理
12:00
昼休み
13:00
所内検討会(結核患者の支援について)
16:00
電話相談の対応
17:00
記録類の整理や明日の予定確認
18:00
退勤