先輩職員のインタビュー

令和4年度採用留萌振興局産業振興部 留萌地区水産技術普及指導所

高草木 将人

水産学部海洋生産システム学科出身
令和5年12月時点

入庁動機・きっかけ


前職で水産関係の仕事をしている中で、直接漁業者の役に立つ仕事をしたい、技術的な仕事を長く続けたい、と考えるようになりました。インターネットで調べてみると、北海道の普及職員は異動すれば地域は変わるものの、一貫して漁業者に対し技術的な支援をしていることが魅力に感じ、志望しました。

今の部署の仕事について


仕事は大きく、巡回と調査・情報提供に分かれます。
巡回は漁港や作業場に出向き、漁業者から直接、養殖や漁の状況などを聞いたり、情報交換します。この時聞いた話から、情報提供の方法を工夫したり、水産試験場等との橋渡しをすることもあります。
調査・情報提供は、一例としてホタテガイ浮遊幼生調査を説明します。当所が担当する海域では、ホタテガイの稚貝生産が盛んで、天然採苗が行われています。天然採苗では、浮遊幼生が付着するタイミングに合わせて採苗器を入れる必要があります。そこで漁業者にホタテガイの浮遊幼生をネットで採集してもらい、当所で幼生の大きさや数を測定し、結果を速報としてまとめ、漁業者・漁協へ情報提供し、採苗器をいつ入れるか検討するのに役立ててもらっています。
その他、漁協が行うナマコ種苗生産の支援、漁業士活動の支援、町が行う小学生向け水産学習の講師を務めるなど、様々な仕事があります。

仕事をしていてうれしかったこと


水産の普及職員となってうれしかったことが2つあります。
一つは、漁場環境調査をして情報提供の資料を作成した際、表やグラフを見やすくなるように少し工夫して各漁業者に送ったことがありました。自分が見やすいと思っても、受け取る側にとってどうなのかが気になり、その後会った漁業者に聞いてみたところ、「この形で大丈夫、水深○mは○○なんだね」と言ってくれました。自分の作ったものを見てくれていること、ほんの少しの工夫ですが伝わったことが分かり、うれしかったのを覚えています。
もう一つは、漁業者からホタテガイの稚貝の成長について電話で問い合わせがあった際、すぐには分からず答えられまま電話が終わりました。そのままではいけないと思い、その後上司に関係する資料があることを教えてもらい、こちらから電話をかけ直してデータを伝えたところ「ありがとう」と言ってもらえ、うれしかったのを覚えています。

働いて実感する魅力とやりがい、将来像


屋外で、時には船に乗せてもらい沖で調査ができること、海の生物や海洋環境と関われることは理屈抜きに楽しいもので、水産関係の仕事を選ぶ人はこのような動機の人が多いのではないでしょうか。それに加え普及員は漁業現場に近いため、頑張れば人に喜んでもらえ、それを直接感じられることが魅力とやりがいです。また、漁業者だけでなく、漁協、水産試験場、道振興局の水産課、市町村、水産関係団体の職員など、立場は違えど同じ水産業を応援する様々な人と関わりながら仕事ができることが魅力です。
今後は漁業者の疑問に少しでも答えられるようになり、いつかは漁業者から信頼してもらえるような普及員になりたいと考えています。そのためには一つずつ着実に技術と知識を身につけて自分の引き出しを増やすのはもちろんのこと、相談や情報交換できる人を増やしていきたいです。

休日・プライベートの過ごし方


休日は日帰りから2泊3日くらいまでの旅行を楽しんでいます。入庁前は関東地方に住んでいたため、北海道の景色、食べ物などが全て新鮮に感じられます。道北勤務のため、今は道北・道央を中心に回ろうと、稚内、利尻島、富良野・美瑛など主要な観光地から、豊富町、音威子府村などローカルな所まで色々な土地に旅行しました。冬は屋内で過ごしたり外出してもあまり遠出はせず、春から秋に溜まった「やることリスト」を片付けたりします。そんな風に季節にメリハリがあるのが気に入っています。
買い物も一つの楽しみです。私が住んでいる羽幌町は大きな町ではないですが、スーパーが3軒、ドラッグストアが1軒、ホームセンターが1軒、コンビニが4軒あり、車で1時間の留萌市には大型の店舗や外食チェーンもあるため、日常生活には不便を感じていません。ネット通販も合わせれば、特殊な物以外はだいたい手に入ると思います。

ある1日の流れ

8:45
出勤、調査サンプル受け取り(外勤)
10:00
ホタテガイ採苗器付着状況調査
12:00
昼休み
13:00
調査結果集計、速報資料作成・送付
16:00
調査担当の漁業者と連絡調整、所内打ち合わせ
17:30
退勤