先輩職員のインタビュー

H24年度採用石狩振興局 石狩家畜保健衛生所

上垣 華穂

畜産学部獣医学科出身
令和5年3月時点

入庁動機・きっかけ


子供の頃に、O-157による食中毒や日本で初めて牛海綿状脳症(BSE)が確認されるなど、食の安全について考えさせられる機会が多かったこと、また、動物が好きだったことから、動物を触りながら食に関わる職業に就きたいと考えていました。大学在籍中に、生産現場に近い立場で食の安全を守る「家畜保健衛生所」の存在を知り、仕事をするなら日本で一番家畜がいるところが良い!と畜産の農業産出額一位の北海道への入庁を決めました。

今の部署の仕事について


所属している病性鑑定課では、家畜の伝染病又は原因不明の病気の原因究明や、健康確認のために各種(細菌、ウイルス、寄生虫、生化学、病理)検査を行っています。私は病理を担当しており、死んでしまったり、病気で弱ってしまった家畜を解剖し、摘出した臓器から標本を作製して顕微鏡で観察することで、その家畜がどのような病気であったかを病理学的に検索します。細菌、ウイルス学的検査などの結果と合わせ、その家畜がどんな病気だったのかを課内で議論し、最終的に診断します。診断結果をもとに家畜の飼養者に対処方法を提案し、時には関係機関と一緒に病気の対策を行うこともあります。

印象的だった仕事のエピソード


道内の家畜保健衛生所では、家畜衛生の向上を目的として、年に1度、日頃の業務(事業・調査・研究等)について一堂に会して発表する場があり、私はある疾病について病理学的にまとめ発表しました。その後、臨床獣医師の先生から「受け持ちの農家さんが同じ病気で困っていたので、あなたの発表を参考にして対策を行ったよ。」と言われました。自分が発表したことが管轄外の地域でも家畜の病気の対策に役立っていることを知り、驚きを感じると共に発信する側の責任について実感し、改めて気持ちが引き締まりました。

働いて実感する魅力とやりがい、将来像


職場には病性鑑定課の他にも、伝染病の発生予防と発生時のまん延防止を担う予防課と、動物用医薬品の適正使用や畜産農家の生産衛生指導等を担う指導課があり、様々な業務が行われています。室内で遺伝子検査をする日もあれば、農場に出かけて家畜から採血をしたり、時には家畜の診療施設を巡回指導することもあり、日々刺激的な毎日です。また、担当する家畜が牛、馬、豚、鶏、時にうさぎや蜂等多岐に渡るのも魅力だと思います。将来は、「どの業務もバランス良くこなせるが、特に病理の知識を持っている職員」として北海道の畜産業に貢献できるよう、今後も努力してきたいです。

休日・プライベートの過ごし方


赴任先で地元の資料館や記念館・ジオパーク等に行って、その土地の歴史や地理を楽しみながら学ぶことが好きです。昨年は同僚に誘われて、登山にも挑戦しました。また、魚釣りが趣味の上司にお願いして筋子をもらってイクラを漬けてみたり、ワカサギをもらって天ぷらや一夜干しを作ってみたりと楽しんでいます。

ある1日の流れ

8:45
出勤
9:00
先日受け入れた検体の結果通知書を作成
11:00
豚の死亡原因の診断依頼、解剖の準備
12:00
昼休み
13:00
搬入された豚の受け入れ、搬入した依頼者に発生状況等の聞き取り
13:30
解剖開始、剖検所見から、疑われる病気を予想して検査に必要な材料を採取
15:00
採取した材料に取り漏れや不備がないか確認して解剖終了、剖検所見をまとめ、予想される疾病と診断に必要な検査など方針を課員全員で協議
16:00
依頼者に剖検所見の結果を連絡、逐次結果を返すと、「実は・・・」と、農場の人から新しい情報が得られることも
16:30
翌日の予定確認や、平行して行っている検査の進捗管理
17:30
退勤